東京医科大学、山本謙吾主任教授に関す論文、新聞記事。

東京医科大学、山本謙吾主任教授に関す論文、新聞記事。

東京医科大学病院、山本謙吾主任教授の記事が、
6月4日(月)の長野日報に掲載されていたので紹介します。

以下、記事全文

『整形外科の仕事(東京医科大整形外科主任教授 山本謙吾)』 足のしびれや痛みで知られる「脊柱管狭窄症」は、脳と手足をつなぐ神経が集まった脊髄が圧迫されて起きます。脊髄は脊椎にあるトンネル「脊柱管」を通っていますが、この管が狭くなって中の神経を圧迫するのです。原因はさまざまで、椎間板ヘルニアや脊椎の変形、脊柱管の中にある人体の肥大などが考えられます。原因により治療法が異なるので、その確認が重要です。症状としては立ち仕事や歩行で痛みを感じるのに腰掛けると痛みが消える「間欠跛行」が代表的ですが、進行すると下肢の筋力低下や、ぼうこうや直腸の機能障害なども生じます。』

東京医科大学、山本謙吾主任教授は続けてこのように話していらっしゃいます。

『診断は、いつ、どのような場面で症状が出ているのかなど問診を重ね、しびれや筋力を触診で確かめます。さらに似た症状を示す病気との鑑別のため、血液やレントゲン、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)などで検査で原因を絞り込みます。画像だけで診断するのは難しく、確定まである程度時間が必要なこともあります。『慎重に判断、脊柱管狭窄症』 保存両方としてはコルセットによる保護や筋力強化のための運動療法、痛みやしびれを緩和し脊髄の血流を回復させるための内服薬があり、より強い痛みに対しては神経ブロック注射を行うこともあります。一方、ぼうこうや直腸の機能障害がある場合や急速な筋力低下が認められる場合、保存療法の効果がなかなか出ない場合は、靱帯や骨を削って神経へ値の圧迫を除く手術を検討します しかし、後遺障害のリスクや述語の機能回復の見通しなど、術前に考慮しなければいけない要素が多く、慎重な判断が求められます。特に高齢者が多いことから、狭窄症自体の影響に手術後の安静による運動機能の低下が加わるため、どこまでリハビリで身体機能が回復するか見極めが必要になります。』
(長野日報 平成24年6月4日長野日報、5面より転載)


山本謙吾1985年東京都生まれ。83年東京医科大卒、ロマリンダ大学留学などを得て2004年より東京医科大学整形外科主任教授。日本整形外科学会専門医、日本整形外科スポーツ認定医。論文も多く執筆している。