ジョギングブームの裏に〜山本謙吾教授の論文に学ぶ〜

足底腱膜(けんまく)炎は、スポーツによる足の裏の痛みの代表的な疾患だが、スポーツ選手だけでなく一般の人にも良く見られる。特に中高年は加齢とともに腱膜の弾力が失われて起こしやすいので注意したい。
■足底腱膜炎
足底腱膜は、かかとの骨から足の指の付け根にかけて土踏まずのアーチを支えている組織。そこに繰り返し負担がかかって慢性の炎症がおこるが足底腱膜炎だ。
東京医科大学整形外科の山本謙吾主任教授は「足底腱膜に負担がかかるものには、ジョギングなどのスポーツと肥満などがあげれられます。炎症は主にかかとの骨と腱膜のつなぎ目に生じて痛みを伴います」最初は、かかとのあたりに体重をかけると痛む程度で、進行すると足の親指を反らすと痛むようになる。「こうした自覚症状があり、日常生活に支障をきたす場合は整形外科を受診すべきです。」
靴は中敷き利用を
診断では通常、問診と足の裏の圧迫、親指を反らして痛みの出方を診るなどが行われる。
「足底腱膜炎とわかれば消炎鎮痛剤を用い、局所の安静を保って負担を軽減するのが治療の基本です。たとえばスポーツをしている人なら、運動量を減らすとともにテーピングで足底腱膜を固定するといった治療が行われます。」
日常生活では、?足首と指のストレッチングを行う?靴は足底板(中敷き)を利用して土踏まずのアーチを保つ――などに留意する。また、肥満の人は減量を心掛ける。
山本主任教授は、「痛みが激しい時には、局所にステロイド剤を注射する治療法もありますが、常用すると足底腱膜が切れる可能性があります。ステロイド剤の注射を受ける場合は、医師と十分に相談するように」とアドバイスしている。

東京医科大学と山本謙吾主任教授

山本謙吾
東京医科大学
論文

東京医科大学病院、山本謙吾主任教授の記事が12月14日(水)の苫小牧民報に掲載されていたので紹介します。

以下、記事全文

『冷えやしびれ 慎重に対応を(悩んだ時は複数医師を受診)』
寒さが厳しくなるにつれ、手足や腰の冷え、しびれに悩まされるケースが増える。脊髄に神経系が圧迫される脊髄管狭窄の高齢者はなおらさらだ。
強いしびれが長時間続き、歩行など日欧生活に支障が出た場合、磁気共鳴画像装置(MRI)を使った検査を受けよう。脳梗塞を患っていると、後遺症によるしびれとの区別も難しい。整形外科の専門医による診断や治療が必要だ。
東京都青梅市の男性(76)は数年前、脳梗塞を患い、今年初めから足のしびれや痛みに悩まされた。最近は長時間の歩行は厳しい状態。地元の整形外科を受診し、腰や頸部(けいぶ)の脊髄に圧迫が確認され、手術を勧められた。
しかし、手術すべき部位が毎回変わる医師の説明や、手術をきっかけにした脳梗塞の再発の可能性に不安を頂、これまで手術を受けずにきたという。
男性はセカンドオピニオンを求めようと、東京医科大病院(東京都新宿区)を受診。半年近い経過観察を経て、手術の是非を確かめるために1週間以上検査入院した。担当した整形外科の山本謙吾教授は「体の不具合や痛みの程度、血流を改善する薬の効果を見ながら、手術の必要性を見極めている」と説明。脳梗塞の再発リスクについても、脳血管分野の診療科と提携しながら判断した。
高齢者には複数の狭窄部位がある人も多く、症状を引き起こすのはどの部位か、麻酔を注射する神経ブロックを繰り返し、治療すべき場所を特定する必要がある。同教授は「入院で逆に隊長を崩す人もおり、医師や環境に慣れてもらうことも大切。神経ブロックで症状が改善されれば、手術しなくてもよい場合がある」と解説する。
検査入院した男性は「同じ病気の患者と知り合い情報交換できた。手術を繰り返してようやく歩けるようになった人もいれば、1回の手術で痛みが消えた、という人もいた。そんな姿を見ているうちに、手術は怖いという気持ちも薄れた」と話している。

東京医科大学、山本謙吾主任教授、新聞や論文について。

東京医科大学、山本謙吾主任教授の新聞記事や論文について。


東京医科大学病院、山本謙吾主任教授の記事が、
5月3日(木)の茨城新聞の生活面に掲載されていたので紹介します。
今回は前半です。

『過剰な練習、関節に負担』
(東京医科大学、整形外科主任教授、山本謙吾)

「近年、わが国でもスポーツ愛好者や競技人口は増加の一途をたどり、
これに比例して膝や肘などの関節の痛みを訴える人も増えています。
これらスポーツ外傷・障害も整形外科の主要な治療対象となります。」
と山本謙吾主任教授は語る。

「スポーツ外傷は、サッカーなどで選手同士がぶつかったり転倒したりして起こる骨折や靱帯損傷などのことです。またスポーツ障害は、スポーツの長期間継続によって徐々に関節の変形・損傷が進み、痛みや動きに制限が生じる状態で、学校の体育活動や校外のクラブなどで、過剰な練習を続けた運動選手によく起こります。」とのこと。

東京医科大学、山本謙吾主任教授曰く、
「もともと成長期は体の発育のバランスが崩れやすく、そこに激しいトレーニングが加わると関節に過大な負担がかかり、変形や損傷が起きます。治療上では一定期間の安静が欠かせません。そうなれば体力や技術は低下してしまい、これを嫌って大会の日程や選手間の競争などの理由で患者当人が治療を拒否したり、延期を野損だりしてしまうことも。その結果、治療が遅れて症状が悪化し、回復までにより時間がかかる事例や後遺障害が残る事例さえあります。」と言う。

後半はまた次回ご紹介します。
東京医科大学病院、山本謙吾主任教授の新聞記事でした。

東京医科大学、山本謙吾主任教授に関す論文、新聞記事。

東京医科大学、山本謙吾主任教授に関す論文、新聞記事。

東京医科大学病院、山本謙吾主任教授の記事が、
6月4日(月)の長野日報に掲載されていたので紹介します。

以下、記事全文

『整形外科の仕事(東京医科大整形外科主任教授 山本謙吾)』 足のしびれや痛みで知られる「脊柱管狭窄症」は、脳と手足をつなぐ神経が集まった脊髄が圧迫されて起きます。脊髄は脊椎にあるトンネル「脊柱管」を通っていますが、この管が狭くなって中の神経を圧迫するのです。原因はさまざまで、椎間板ヘルニアや脊椎の変形、脊柱管の中にある人体の肥大などが考えられます。原因により治療法が異なるので、その確認が重要です。症状としては立ち仕事や歩行で痛みを感じるのに腰掛けると痛みが消える「間欠跛行」が代表的ですが、進行すると下肢の筋力低下や、ぼうこうや直腸の機能障害なども生じます。』

東京医科大学、山本謙吾主任教授は続けてこのように話していらっしゃいます。

『診断は、いつ、どのような場面で症状が出ているのかなど問診を重ね、しびれや筋力を触診で確かめます。さらに似た症状を示す病気との鑑別のため、血液やレントゲン、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)などで検査で原因を絞り込みます。画像だけで診断するのは難しく、確定まである程度時間が必要なこともあります。『慎重に判断、脊柱管狭窄症』 保存両方としてはコルセットによる保護や筋力強化のための運動療法、痛みやしびれを緩和し脊髄の血流を回復させるための内服薬があり、より強い痛みに対しては神経ブロック注射を行うこともあります。一方、ぼうこうや直腸の機能障害がある場合や急速な筋力低下が認められる場合、保存療法の効果がなかなか出ない場合は、靱帯や骨を削って神経へ値の圧迫を除く手術を検討します しかし、後遺障害のリスクや述語の機能回復の見通しなど、術前に考慮しなければいけない要素が多く、慎重な判断が求められます。特に高齢者が多いことから、狭窄症自体の影響に手術後の安静による運動機能の低下が加わるため、どこまでリハビリで身体機能が回復するか見極めが必要になります。』
(長野日報 平成24年6月4日長野日報、5面より転載)


山本謙吾1985年東京都生まれ。83年東京医科大卒、ロマリンダ大学留学などを得て2004年より東京医科大学整形外科主任教授。日本整形外科学会専門医、日本整形外科スポーツ認定医。論文も多く執筆している。

東京医科大学、山本謙吾主任教授に関す論文、新聞記事〜長野日報〜続

東京医科大学整形外科、山本謙吾主任教授、論文など情報集めています。

『整形外科の仕事について』
〜手術は慎重な判断必要〜
(東京医科大学・整形外科、山本謙吾主任教授)

東京医科大学、山本謙吾主任教授の記事(論文)です。前回の続きです。

このほか、手術後のリハビリでどこまで機能回復が見込めるか判断することも大切。脊椎の手術は比較的大掛かりで、身体的な負担も増します。しかも患者の多くは高齢で、症状が出てから比較的時間が経ってからの手術が多いため、術前から体力や筋力が低下していることも少なくありません。手術後のリハビリでどこまで身体機能や運動機能が回復するか、手術によって痛みやしびれがどの程度改善できるかなどをよく見極めたうえで、総合的な判断が必要です。合併症や既往症の有無も重要です。糖尿病を併発していれば、狭窄を治療しても足先のしびれなどの症状が消えない可能性が生じます。また、脳梗塞の発症歴があれば、その後遺症と脊柱管狭窄症の双方が同様の症状を起こすため、どちらの病気が症状の原因か鑑別するのはもちろん、手術によって脳血管に悪い影響を与えないよう配慮も求められます。

以上が長野日報の記事全文でございます。

※山本謙吾主任教授とは・・・
山本謙吾(やまもと・けんご)1958年東京生まれ。83年東京医科大卒、ロマリンダ大留学などを経て2004年より東京医科大学整形外科主任教授。日本整形外科学会専門医、日本整形外科スポーツ認定医。

東京医科大学、山本謙吾主任教授に関す論文、新聞記事〜長野日報〜

東京医科大学整形外科、山本謙吾主任教授、論文など情報集めています。

『整形外科の仕事について』
〜手術は慎重な判断必要〜
(東京医科大学・整形外科、山本謙吾主任教授)

脊椎の中の神経が圧迫され、下半身の痛みやしびれなどを引き起こす「脊柱管狭窄症」。運動療法や内服薬、神経ブロック注射などで効果がない場合、手術が選択肢になります。ただ十分な効果を上げるには幾つか条件を満たす必要があります。手術は狭窄部分の靱帯や骨を削って神経への圧迫を除きますが、圧迫されている場所が複数ある場合、どの部分が原因か確かめなければなりません。ただ、磁気共鳴画像診断装置(MRI)などの画像検査の高度化で狭窄部分の発見は容易になったものの、神経機能は非常に複雑です。足先のしびれならこの周辺、太ももの痛みならあそこの狭窄が原因、と簡単に判断できません。通常1ヵ所ずつ神経ブロックを行い、どの神経をブロックすれば症状が消えるか確かめます。複数ヵ所を同時にブロックしないと症状が消えないこともあり、手術すべき場所の特定には時間がかかります。

東京医科大学、山本謙吾主任教授の記事(論文)です。次回に続きます。

※山本謙吾主任教授とは・・・
山本謙吾(やまもと・けんご)1958年東京生まれ。83年東京医科大卒、ロマリンダ大留学などを経て2004年より東京医科大学整形外科主任教授。日本整形外科学会専門医、日本整形外科スポーツ認定医。

東京医科大学、山本謙吾主任教授に関す論文、新聞記事。

東京医科大学病院、山本謙吾主任教授の記事が6月4日(月)の長野日報に掲載されていたので紹介します。

以下、記事全文

『整形外科の仕事(東京医科大整形外科主任教授 山本謙吾)』
足のしびれや痛みで知られる「脊柱管狭窄症」は、脳と手足をつなぐ神経が集まった脊髄が圧迫されて起きます。脊髄は脊椎にあるトンネル「脊柱管」を通っていますが、この管が狭くなって中の神経を圧迫するのです。

原因はさまざまで、椎間板ヘルニアや脊椎の変形、脊柱管の中にある人体の肥大などが考えられます。原因により治療法が異なるので、その確認が重要です。症状としては立ち仕事や歩行で痛みを感じるのに腰掛けると痛みが消える「間欠跛行」が代表的ですが、進行すると下肢の筋力低下や、ぼうこうや直腸の機能障害なども生じます。

診断は、いつ、どのような場面で症状が出ているのかなど問診を重ね、しびれや筋力を触診で確かめます。さらに似た症状を示す病気との鑑別のため、血液やレントゲン、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)などで検査で原因を絞り込みます。画像だけで診断するのは難しく、確定まである程度時間が必要なこともあります。

『慎重に判断、脊柱管狭窄症』
保存両方としてはコルセットによる保護や筋力強化のための運動療法、痛みやしびれを緩和し脊髄の血流を回復させるための内服薬があり、より強い痛みに対しては神経ブロック注射を行うこともあります。一方、ぼうこうや直腸の機能障害がある場合や急速な筋力低下が認められる場合、保存療法の効果がなかなか出ない場合は、靱帯や骨を削って神経へ値の圧迫を除く手術を検討します
しかし、後遺障害のリスクや述語の機能回復の見通しなど、術前に考慮しなければいけない要素が多く、慎重な判断が求められます。特に高齢者が多いことから、狭窄症自体の影響に手術後の安静による運動機能の低下が加わるため、どこまでリハビリで身体機能が回復するか見極めが必要になります。
(長野日報 平成24年6月4日長野日報、5面より転載)

山本謙吾1985年東京都生まれ。83年東京医科大卒、ロマリンダ大学留学などを得て2004年より東京医科大学整形外科主任教授。日本整形外科学会専門医、日本整形外科スポーツ認定医。論文も多く執筆している。